Jovoy Paris
ジョヴォワ パリ| 旅する目利きが連れ戻した眠れる名香の魂
Jovoy Paris(ジョヴォワ パリ)は、1923年にパリのラペ通りでブランシュ・アルヴォイが創業した香水ブランド。ブランド名は彼女の愛称「ジョー」とパートナーの姓「アルヴォイ」を掛け合わせた言葉遊びで、ラリックやバカラ製の壮麗なボトルに収められた豪奢な香りがパリ社交界を席巻した。しかし世界恐慌の波にのまれ、歴史の陰へと沈む。ブランシュが生涯貫いたのは「派手な名前や美しいボトルより、何よりも香りそのものが主役であるべき」という信念だった。その魂を現代に連れ戻したのが、旅することを愛するフランソワ・エナン。大学卒業後にベトナムへ渡り、現地で香料原料の蒸留に携わるなど天然原料の世界に没入した彼は、2006年にJovoyを復活させる。彼が選んだのは往時の再現ではなく、ブランシュが現代に生きていたなら同じようにしたはずのこと——時代のための新しい香りを創ること。独立系調香師との真摯なコラボレーション、15〜20%という高い賦香率が示すとおり、その作風は力強くタイムレスで妥協がない。香水を「直感、記憶、想像力の言語」と捉え、流行やエリート主義と距離を置いた至高の調香を追求し続ける。
